善光寺の一角に眠る歴代の回向柱
回向柱とは、善光寺の御開帳の際に、本堂の前に建てられる大きな柱です。(大回向柱)
大回向柱は、およそ45センチ角で高さ約10メートル、重さ約3トンにもなる巨大なものです。
御開帳期間中には、善光寺本堂の前に建てられ、参拝者がこぞってこの柱に触れようとします。その理由は、この回向柱が「善の綱」によって前立本尊と繋がっているため、阿弥陀如来のいのちを宿すとされるためです。
つまり、柱に触れることによって、直接善光寺の御本尊に触れるのと同じ功徳を得られるのです。この大回向柱は、善光寺の御開帳を象徴するものであり、欠かすことのできないものです。御開帳期間中の回向柱の周りには、常に多くの参拝者が集まっています。
ところで、御開帳期間が過ぎた後の回向柱ですが、善光寺の境内西にある一角に眠ることになります。
御開帳前には白かった木肌も、御開帳を終えると多くの参拝者に触られた結果、黒くなってしまうと言われます。
写真では、過去使用された回向柱が順に土に還っている光景が分かります。手前ほど最近の回向柱で、向こうに行くほど古い回向柱です。古い回向柱は、背丈が非常に小さくなっており、土へと還っているのです。
善光寺の御開帳は7年に1回行われるものですから、写真奥に見える回向柱は随分昔のものであると言えます。
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