病人が患部と同じところをなでると病気が治る
本堂の正面をのぼって外陣に入るといつもたくさんの人に囲まれているのが、賓頭盧尊者像(びんずるそんじゃぞう)です。
賓頭盧尊者はお釈迦さまの正法を伝える十六羅漢の一人で神通力(超能力)がとても強い人だったと言われています。一方で、あまりに神通力をもてあそんだためにお釈迦様に叱責を受けたそうです。
病人が自分の患部と同じところを撫でると病気が治るという信仰があり、いつもたくさんの人が賓頭盧尊者像を触っています。そのため、撫仏(なでぼとけ)とも呼ばれています。
現在では、長い年月、たくさんの参拝者に撫でられ続けた結果、顔は磨耗しており表情がほとんどわからないくらいです。それほど、多くの人からの信仰を集めていると言えます。
(ちなみに、賓頭盧尊者像は木によってつくられています。しかし、実際に撫でてみると分かりますが、長年多くの人に撫でられているため、ほとんど木の感触はしません。どちかというと銅像のような感触がします。)

正月の6日の夜には、賓頭盧尊者像を堂内で引き回して、堂童子から配られた福しゃもじでたたいて一年間の無病息災を願う「びんずる廻し」が行われています。
善光寺の本堂の階段をのぼっていくと賓頭盧尊者像は必ず目に入ります。そして、いつも人がたくさん集まっており、様々な箇所を撫でている光景が飛び込んでくるでしょう。善光寺の本堂に行った際には、是非、賓頭盧尊者像を撫で撫でしてみてください。
私はいつも頭を撫でて、頭が良くなるようにお祈りをしています。
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