善光寺のスロープは国宝に付いた初めてのスロープ
善光寺には老若男女問わず、全国からたくさんの参拝者が訪れています。中には、本堂の階段を上るのが困難な参拝者もいることでしょう。
善光寺では、このようなお年寄りや足の不自由な人がより参拝しやすいように、スロープ設置の計画が持ち上がっていました。
しかし、国宝である善光寺は、歴史的文化財保護の観点から規制がかかっており、そう簡単にスロープを設置するというわけにはいかなかったのです。
実際にスロープの設置を文化庁に申請しても、現状維持という国宝の壁があり、阻まれていたというのが実情だったのです。
ちょうどその議論が持ち上がっていたのが、1997年頃です。ちょうど1997年には善光寺の御開帳があり、98年には長野冬季オリンピックとパラリンピックが開かれました。
これらのイベントを控え、善光寺をはじめとして長野市全体でバリアフリー化が進行していました。
そこで、善光寺では本堂本体にはまったく手を加えずに、仮設建造物の形をとることでスロープの設置に成功しています。
2枚目の写真はスロープを写したものですが、本堂と一体化しているようで、実体は仮設という格好になっています。これは、文化財保護の観点から考えられたものですが、言われない限り気付かないほど本堂とスロープが一体化しています。
このスロープは平成9年の善光寺御開帳時から設置されています。当然、現在も設置が継続されていますので、参拝者にとってはたいへんありがたいスロープなのです。
このスロープがあることで、階段をあがるのが困難な参拝者でも、本堂に入り参拝することができるのです。
国宝善光寺の見どころ一挙紹介