江戸時代中期を代表する寺院建築の善光寺本堂
善光寺のご本尊が安置されている「本堂」は国宝に指定されています。
本堂は、間口23.89メートル、高さ25.82メートル、奥行き53.67メートルの規模をもつ江戸時代中期仏教建築を代表する大伽藍です。
敷地面積では、国宝建造物の中では、東大寺大仏殿、三十三間堂に次いで3番目の大きさを誇っています。
通常のお寺に比べ、間口に対して極端に奥行きが長くなっているのが信州長野善光寺の本堂の特徴です。通常のお寺は左右に長いのですが、長野の善光寺は前後に長いというイメージです。(写真からは分かりにくいと思います)
善光寺の本堂は度重なる火災に遭っていますが、現在の本堂は元禄13年(1700)の火災の後に徳川幕府が松代藩に命じて造られたものです。7年の歳月を経て、宝永4年(1707)に完成しています。設計は、幕府お抱えの名匠である、甲良豊前宗賀(こうらぶぜんそうが)がおこなっています。
明治28年には、国宝に指定されました。
本堂には入り口が3箇所あり、大勢の参拝者を迎え入れるための設計と考えられています。
また、本堂を上から見ると、縦長になっており、T字型をしています。半鐘や鉦(しょう)を打つ鐘木(しゅもく)に似ていることから、鐘木造りと呼ばれています。
善光寺の内陣の広さは152畳あります。古くから大勢の参拝者が本堂(内陣)にお籠もり(宿泊)するのが善光寺詣りの基本だったようで、それは明治の中期まで続きました。(現在は行われていません)
その習慣のために、内陣を非常に広くとった鐘木造りという特殊な構造を生んだと言われています。
御開帳や初詣ともなれば、本堂前は大行列となります。
国宝善光寺の見どころ一挙紹介