御開帳大回向柱建立式(平成21年4月3日)

回向柱建立式(善光寺御開帳)



写真出所:「善光寺御開帳」公式ハンドブック(平成26年)、善光寺御開帳奉賛会・信濃毎日新聞社

回向柱建立式は4月3日の午後1時から行われます。

回向柱受入式により善光寺に本堂前に到着した回向柱は、御開帳の2日前になると、職人の手で最後のカンナがかけられます。

そして、住職により大きな筆で梵字が書き入れられます。回向柱に記される「龕」の字は「厨子」を意味します。

「奉開龕前立本尊」と墨書きされ、宇宙に前立本尊の御開帳を高らかに表明しているのです。その上部には、梵字5文字で「キャ・カ・ラ・バ・ア」を書き、これは5大を示しています。

5大とは、「空」「風」「火」「水」「地」の5要素のことで、これは密教で宇宙を構成する要素と考えられています。

平成21年度信州善行寺御開帳時の本堂前回向柱

写真は善光寺本堂前に建立された実際の回向柱の写真ですが、回向柱に大きく書かれた文字が分かると思います。

人力による古来の叡智と技により立ち上がる回向柱

御開帳の2日前である4月3日にはいよいよ回向柱建立式が行われます。建立式とは、本堂前に回向柱を建てることを言います。

善光寺木遣りが流れる中、白い布で覆われた回向柱が善光寺本堂前の大香炉前に移され、せみ竿に支えられながら、神楽桟と呼ばれる道具を使って職人がウインチを廻していきます。

このように高さ10メートルもある巨大な回向柱は、人力によって次第に建ち上がっていきます。その姿はまさに圧巻で、周りの見物客は感嘆の声を漏らすのです。

この回向柱建立式を経て、いよいよ信州善光寺の御開帳の準備が整います。