【2022年】善光寺御開帳御印文頂戴!ごいんもんちょうだい

2022年善光寺御開帳の御印文頂戴(ごいんもんちょうだい)



御印文頂戴とは?

御印文頂戴(ごいんもんちょうだい)は、善光寺の宝印(御印文)を額に押しあてる儀式のことを言います。

これによって阿弥陀如来様と結縁することができ、極楽往生できるといわれています。

2022年善光寺御開帳で行われている御印文頂戴の様子

善光寺の宝印

善光寺の宝印は、竜宮城の特別な金である閻浮檀金(えんぶだごん)でできていると言われてます。

閻浮檀金とは、一番立派な金のことで、当時の竜宮城にありました。

出所:「善光寺さん」信濃毎日新聞社

善光寺の宝印は、「牛王宝印」(ごおうほういん)、「牛王噞印」(ごおうけんいん)、「往生決定印」(おうじょうけつじょういん)の三判あります。

錦の布で厳重に包まれており、大きさは布の上からはかって直径10センチほどです。

本尊の分身

善光寺の宝印(御印文)は、善光寺本尊の分身と言われています。

善光寺の御本尊も閻浮檀金(えんぶだごん)でできているという点でも共通点があるようです。

御開帳時には、前立本尊とともに善光寺本堂へ移されます。ここからも、善光寺の宝印がいかに大切にされているのかが分かるのではないでしょうか。

善光寺本堂に遷される宝印
2022年前立本尊御遷座式

写真は2022年の前立本尊御遷座式の様子です。

2つの御輿が見えますが、手前の御輿には「前立本尊」が、後方の御輿には「宝印」が乗っています。

通常は正月のみ

御印文頂戴は、例年一月七日~十五日に行われます。

しかし、善光寺の御開帳期間中は特別に毎日行われることになっています。

いよいよ2022年(令和4年)善光寺の御開帳が始まります

善光寺本堂前に立てられた高札です。

御印文頂戴戴者也と書いてありますが、これは「ごいんもん れい ちょうだい せしむる ものなり」と読みます。善光寺御開帳において、前立本尊の御開帳とともに御印文頂戴は重要なものとして捉えられていることが分かります。

江戸時代には、善光寺の出開帳が各地で行われました。出開帳とは、地方へ前立本尊のほかに釈迦涅槃像・御三卿像・御印文を同行して「公開」することを言います。

御印文を押してもらうと極楽行きが保証されるとあって、参拝者は行列を作って並び、志納料を奮発したと言います。昔から御印文頂戴が人気であったことが分かります。

お血脈

御印文頂戴は古くから多くの人に知れわたり、「ごはんさん」とも呼ばれて親しまれてきました。

また、古典落語の「お血脈」も生まれています。

お血脈(おけちみゃく)の概要
近ごろ、地獄へ落ちてくる亡者が非常に少ない。閻魔さまが「変だ」と思って事情をさぐらせてみると、このごろ浮世で善光寺御印文というものがはやっている。この御印文を額に押してもらうと、みんな極楽へ行ってしまう。それで、地獄へ来る者が少ないのだと分かった。そこで、閻魔さまは、石川五右衛門に命じて、善光寺の御印文を盗ませることにした。五右衛門は苦心の末、善光寺へ忍び込み、御印文を手にした。ところが、御印文を額に押し頂き、「ありがたや、かたじけなし」と大見えを切ったため、五右衛門も。極楽へ行ってしまった・・・という。

出所:「善光寺さん」信濃毎日新聞社

2022年善光寺御開帳での御印文頂戴の授かり方

2022年善光寺御開帳時の御印文頂戴の受け方を説明します。

御印文頂戴の場所

御印文頂戴は、本堂向かって左で行われています。

善光寺御開帳時の本堂

そのまま本堂左側の「御印文頂戴」と書かれた幕の下に並んでください。警備員が並ぶ場所を指定してくれます。

また、たくさん並んでいる場合には、最後尾のプレートのところに並ぶようにしてください。

本堂の御印文頂戴が書かれた幕
御印文頂戴を待つ参拝者
御印文頂戴の行列最後尾

授けてもらえる時間

御開帳期間中(2022年4月3日~6月29日)は毎日、御印文頂戴が行われています。

時間は毎日午前8時30分から午後5時までです。

拝観料のようなものはありません。

実際に御印文頂戴を行うと分かりますが、頭にずっしりとした感触を味わうことができます。

待ち時間について

善光寺御開帳では、各施設での参拝に待ち時間が生じることがあります。

特に連休や週末時には混雑するのですが、実際の混雑状況として最も混雑した日と考えられる2022年5月4日の待ち時間は次の通りです。

2022年善光寺御開帳中の大型連休の混雑状況
出所:善光寺公式ホームページ

これを見ますと、前立本尊参拝は最大で100分、お戒壇巡りは100分、回向柱は150分、山門拝観は30分、御朱印所は120分待ちとなっています。

一方、御印文頂戴は安定しており、最大でも5分となっています。

これは、御印文頂戴が人気がないということではなく、流れるように進んでいくため混雑しにくいこと、が最大の理由と考えられます。また、回向柱は御開帳のシンボルとあってほぼすべての参拝者が触れていきますが、御印文頂戴は「知らない人」が多い、と考えられます。

そもそも御印文自体を知らない人も多く、御印文頂戴の意味や価値を知らない人が多いのではないでしょうか。

御開帳を告げる高札には、御印文頂戴戴者也(ごいんもん れい ちょうだい せしむる ものなり)と書いてあることからも、御開帳における御印文頂戴の位置付けは大きいため、ぜひともいただいてみてください。

額にズシリとくる宝印の感触は独特です。

なお、善光寺御開帳の混雑状況は、「2022年善光寺御開帳の実際の混雑状況について」に整理してあります。

感染症対策

額に宝印を押すとなると、感染リスクについて気になるのは当然です。

善光寺では、新型コロナウイルス感染症対策として、御印文ちょうだいに関しては次のような対策を行うこととしています。

※参拝者に触れる布などを定期的に交換します。
※入堂の前後に手指の消毒をしていただきます。
※密を避けるため、入堂制限を行う場合があります。

御開帳初日の4月3日に実際に御印文頂戴をいただいてきましたが、万全の感染症対策が行われているように思いました。

心配せずにいたただくことができると思います。

是非、竜宮城のみに存在すると言われる閻浮檀金(えんぶだごん)を体感してみてください。極楽行きが約束されるのです。