分散参拝の効果によって参拝しやすい状況です
新型コロナウイルス感染症が終息しない中、徹底した分散参拝を呼び掛けている善光寺の御開帳。
通例では2カ月間となる開催期間を、1か月間延長して3か月間(2022年4月3日~6月29日)で行われています。
4月3日の御開帳から1カ月が経過し、何度も善光寺に参拝して様子を見ている限りですと、分散参拝の効果が現れており、かなり参拝しやすい状況にあると言えます。
もっとも、新型コロナウイルスを意識して参拝を控えている人も多いと予想できるため、参拝者の絶対数が伸びていないこともあるでしょう。
【空いている状態で参拝したい方への結論】
早朝の参拝がおすすめです。
善光寺は5時半ぐらいからは参拝できますので、5時30分~8時ぐらいまでに善光寺に到着できれば、週末(土・日)・祝日でも余裕を持って参拝することができます。また、善光寺の駐車場も十分に空きがあると言えます。
追記【20220521】予想以上に混雑状況は緩和されています
2022年4月3日~6月29日まで行われている善光寺の御開帳ですが、5月16日で44日を迎え、折り返しとなりました。
今回の御開帳においては、長野市を挙げて新型コロナウイルス感染症に対し万全の対策が取られています。分散参拝をアナウンスしていることもあり、善光寺自体の混雑状況はかなり緩和されていますが、実際には「コロナ感染を気にして参拝を控えている人が多い」ように思います。
大型連休中の参拝者数は例年の6割程度
5月20日のNHKニュースでは次のようなことを指摘しています。
タイトルでは「善光寺御開帳で人出が去年比5倍超に増加」とありますので、随分な混雑状況のように思えます。しかし、比較しているのコロナ禍の真っただ中であった2021年4月~5月であり、それと比較して5倍超というのはそれほど多い人数ではありません。
コロナ前であった3年前と比べると53%の増加とありますが、7年に1度の御開帳という重要な行事であるにも関わらず、御開帳以外の時期と比べて53%の増加というのは、53%しか増加していない、といった方がニュアンス的に正しいと言えるでしょう。
それを証拠に、大型連休中の参拝者数は前回御開帳時の59%と報道にありますので、例年の御開帳の半数程度の参拝者に留まっている、ということになります。
ただし、御開帳期間は例年より1か月延長されて行われますので、このままいけば参拝者数は例年の半数程度ということにはならないと思われますが、日々の参拝者数は例年よりも相当に抑えられていると言えます。
シャトルバスは体制縮小へ
5月20日付のNHKニュースによれば、善光寺御開帳期間中に運行されているシャトルバスの利用者が予想を下回っていることを報道しています。
シャトルバスの利用状況としては、「前回の御開帳の期間と比べて4分の1ほどにとどまっている」とされています。単純に参拝者が4分の1に減ったということではないと言えますが、考えられる理由は、
- 善光寺の駐車場が例年よりも空いておりシャトルバスの利用者が減った
- 駐車場が例年よりも空いているのは参拝者の絶対数が減少しているからだ
- 参拝者が減少しているのは、期間が延長されたことおよびコロナによる自粛の2つである
と言えるのではないでしょうか。
今後、新型コロナウイルス感染症が落ち着けば参拝者が急増する可能性はありますが、長野市はもちろん、全国各地でまだまだコロナ感染は見られることから、今までと同じ程度の混雑状況で2022年の善光寺御開帳は進んでいくように思われます。
したがって、それほど混雑していないという状況は今後も変わらないでしょう。
善光寺御開帳2022年の混雑予想
善光寺では、あらかじめ混雑する日を予想し、公開しています。
混雑予想カレンダーは次の通りです。
混雑予想から読み取ることのできるポイントは4点です。
1.行事(イベント)開催日は混雑する見込
2.土・日・祝は混雑する見込
3.3カ月の開催期間のうち5月はほぼ毎日混雑する見込
4.1日のうちお昼の時間帯が最も混雑する見込
この混雑予想、実際の混雑状況に照らし合わせてみると、非常に高い精度であると言えます。
1.行事(イベント)開催日は混雑する
善光寺御開帳では、御開帳期間中にさまざまな行事が実施されます。
特に、重要な行事とされているのが「中日庭儀大法要」で、御開帳期間中に浄土宗と天台宗がそれぞれ1回ずつ執り行います。
4月23日には浄土宗(大本願)による中日庭儀大法要が行われましたが、善光寺の境内・本堂前には人垣ができていました。
混雑を避けて参拝したいならば、大きな行事の日は避けるのが安全です。
行事の日には、本堂前が規制され、内陣参拝はもちろん、回向柱に触れたり、御印文を頂戴したりといったことができなくなる場合があります。
2022年5月以降に行われる、善光寺御開帳期間中の行事日程は次の通りです。
- 5月5日(祝) 第100回仏都花まつり
- 5月7日(土) 中日庭儀大法要(天台宗)
- 5月15日(日) 篠ノ井大獅子奉納
- 5月19日(木) 善光寺信徒会大法要
- 6月4日(土) 全国善光寺会お練り大法要
- 6月12日(日) ながの祇園祭御祭礼屋台巡行
- 6月22日(水) 御開帳奉賛会大法要
- 6月29日(水) 結願大法要
- 6月30日(木) 前立本尊御還座式
行事を見たいというのであれば別ですが、スムーズに参拝したい場合には行事の日は避けるのが良いでしょう。
2.土・日・祝は混雑する
善光寺の御開帳には遠方からの参拝者も多く訪れます。
週末(土日)や祝日を活用して長野入りする人が多いため、どうしても土・日・祝は混雑することになります。
日曜日のお昼の様子を紹介します。
回向柱を触れる行列が山門の手前まで伸びています。
この行列だと、回向柱に触れるまでに90分程度掛かるぐらいの混雑状況です。
仕事や子供の休みなどの都合で土・日・祝しか参拝できない人も多いと思いますが、有給などを上手く活用できるようであれば平日に参拝できれば非常に安全です。
なお、土・日・祝に参拝する場合にも「朝」や「夜間」の参拝だと空いていますので、そちらも検討してください。詳しくは後述します。
3.3カ月の開催期間のうち5月はほぼ毎日混雑する
5月の大型連休は当然として、平日においても5月は比較的混雑している予想です。
5月の大型連休は御開帳期間中に最も混雑すると考えられましたが、連休後半(5月3日・4日・5日)の実際の混雑状況は次のようになっていました。
5月3日と4日が特に混雑しており、ピーク時には回向柱に触れるのに150分待ち、前立本尊参拝(内陣参拝)が100分待ち、お戒壇巡りが100分待ち、御朱印に120分待ちとなっています。
最も混雑するとこうなる、というレベルの待ち時間ですが、5月中は平日でも比較的混雑することが予想されています。
混雑を避けて参拝したいようであれば、6月の参拝が安全です。
4.1日のうちお昼の時間帯が最も混雑する
駐車場の混雑状況を見ていると、午前中はほとんど「空き」状態となっていますが、お昼に近づくにつれて「混雑」に変わり、昼過ぎには「満車」となる傾向にあります。
2022年御開帳期間中、善光寺駐車場の混雑状況はネット上でリアルタイムで把握することができます。画像は11時25分のものですが、第1駐車場は混雑、第3駐車場は満車となっています。この後、12時には第1駐車場も満車となっていました。
駐車場の混雑情報は、善光寺自体の混雑情報とリンクしていると考えられます。午前中はそれほど混雑していないということになりますので、自家用車での参拝か公共交通機関での参拝かどうかば別として、午前中の参拝がスムーズだと言えます。
善光寺御開帳の参拝においては、善光寺の駐車場に車を置くのがおすすめです。善光寺の本堂裏側に善光寺公式駐車場があり、混雑状況をリアルタイムで把握することができるようになっています。
混雑を回避して安全に参拝できるおすすめの参拝日
最もスムーズに参拝できると考えられるのは、「6月の平日」です。
とはいえ、仕事のなどの都合で5月中の参拝や、土・日・祝での参拝を考えている人は、「午前中」の参拝なら比較的スムーズに参拝できます。
善光寺の朝は早く、お朝事と呼ばれる法要が毎日5時30分頃には開始されますので、一見すると7時や8時に参拝するというのはずいぶん早い印象ですが、善光寺の場合には普通のことです。早朝の参拝は駐車場も空いており、回向柱もじっくりと触れることができ、御朱印待ちもほとんどありません。
ただし、内陣参拝・お戒壇巡り・御朱印購入は朝5時30分頃から可能ですが、山門拝観は6時30分、御印文頂戴は8時30分からとなりますので注意が必要です。7時ごろに参拝するならば、御印文頂戴は後回しとなります。なお、回向柱に触れるのは24時間可能です。
また、夜間の参拝もおすすめです。
内陣参拝やお戒壇巡り・御印文頂戴はできません(いずれも午後5時まで)が、山門拝観(夜8時まで)や御朱印購入(夜8時まで)、回向柱に触れることは可能です。
また、夜8時まではライトアップされた回向柱に触れることができますので、夜間参拝も検討してみてはいかがでしょうか。
できるだけスムーズに参拝するためには、
「6月の平日かつ早朝がおすすめ」です。
土・日・祝の場合には、早朝であれば駐車場も空いておりスムーズに参拝できます。また、夜間もおすすめです。
夜間参拝についての詳細はこちらに整理してあります。
【2022年】善光寺御開帳は何時まで?参拝は20時までOK!
【注意】週末が必ずしも混んでいるとは限りません
御開帳期間中は、基本的には週末(土・日)が混雑しています。
一方で、週末よりも平日の方が混雑するケースも見られます。
2022年5月の大型連休最終日となる5月8日(日曜日)と、翌々日の5月10日(火曜日)では、5月10日の方が平日にも関わらず混雑している時間帯もあります。
この点を踏まえると、必ずしも週末だから混雑する、という単純なものでもなさそうです。
また、天気も大きく関係しています。
遠方から参拝に訪れる方はその日の天候によって参拝するかどうかを決めるという可能性は低いと思われますが、やはり雨の日は空いている傾向にあります。
もちろん、無理に雨の日に参拝しましょうということではありませんが、事実として雨天時には空いている傾向があります。
曜日や天気に関わらず「早朝の参拝」は安定して空いています。
御開帳期間中の参拝は、午前6時~8時を目途に善光寺に到着するように予定すれば安心して参拝することができると言えます。