武田信玄と善光寺如来
甲斐善光寺は、戦国時代の武将である武田信玄が建立したことで知られています。
戦国、上杉謙信と川中島の合戦を重ねていた武田信玄は、信州善光寺の焼失をおそれ、永禄元年(1558)に、御本像である善光寺如来はじめ、梵鐘や仏具など諸仏寺宝類を安全な地に移すことを決め、本田善光葬送の地と伝わる甲斐国へと奉遷しました。
これが甲斐善光寺の始まりと言われています。
その後、武田信玄滅亡により、御本尊は織田・徳川・豊臣氏を転々としますが、慶長3年(1598)に40年の流転ののち、信濃へ還されました。
甲斐善光寺では、もと信州善光寺の前立本尊を御本尊と定め、現在に至っています。
甲斐善光寺の前立本尊は、銘のある善光寺式阿弥陀三尊像のなかでは最古であり、ほぼ等身大(阿弥陀如来147.2センチ)という、善光寺仏としては例外的な大きさとなっています。
甲斐善光寺のパンフレット
甲斐善光寺のパンフレット紹介します。
2022年甲斐善光寺御開帳
新型コロナウイルス感染症の影響で1年延期になっていた甲斐善光寺の御開帳が、2022年にいよいよ開催されます。
2022年御開帳情報
- 御開帳期間 2022年4月3日~6月29日(88日間)
- 主な行事
4月2日 回向柱立柱式
4月3日 開闢大法要
5月3日 中日大法要
6月29日 結願大法要 - みどころ
御本尊参拝
日本一の鳴き龍
お戒壇廻り
宝物館
御朱印・御守り
甲斐善光寺御開帳の様子
2022年5月4日、御開帳中の甲斐善光寺を参拝してきましたので様子を紹介します。
山門から境内へ
甲斐善光寺周辺は、甲斐善光寺からまっすぐに参道が伸びており、門前町としての街並みを見ることができます。
甲斐善光寺の山門です。
山門の内部には、阿形像と吽形像が安置されています。
山門を抜けると甲斐善光寺の本堂(甲斐善光寺では「金堂」と呼びます)が見えてきます。
山門から金堂までの間には、お土産店や飲食店があります。
回向柱
香炉堂の前には、甲斐善光寺の見どころが示されています。
金堂では、鳴龍(なきりゅう)・戒壇廻り(かいだんめぐり)を体感することができ、宝物館もあります。
香炉堂には大きな香炉が設置されています。
金堂前に建てられた回向柱です。
回向柱には次の文字が書かれています。
・南無阿彌陀佛 奉修善光寺如来開扉供養之宝塔
・南無阿彌陀佛 如来十方来人皆
・南無阿彌陀佛 天下和順 日月清明 国豊民安 兵戈無用
・南無阿彌陀佛 令和四年四月三日建之
回向柱の上部には布(五色の綱)が付けられており、本堂へとつながっています。この綱は、善の綱と呼ばれており、金堂内部に安置された前立本尊様と繋げられています。
回向柱については、善光寺御開帳の回向柱を参考にしてください。
回向柱は善の綱によって御本尊様と繋がっていますので、回向柱に触れることは御本尊様に触れるのと同じことです。
回向柱に触れることで御本尊様と結縁を結ぶことができ、大きなご利益を期待することができるのです。
5月4日は連休中にも関わらず、朝早く参拝したこともあってそれほど混雑していなかったため、存分に回向柱に触れてきました。
御本尊拝観・鳴き龍
金堂内には、賓頭盧尊者像が安置されています。
金堂の内陣に入るためには、参拝券が必要です。
金堂内の左手に、参拝券販売所があります。
参拝券は、大人500円、小学生250円となっています。
参拝券を購入すると、前立本尊参拝のほか、鳴龍体験、お戒壇廻り、宝物館拝観を全て行うことが可能です。非常にお得なチケットであると言えます。
70本尊参拝
甲斐善光寺の御本尊は阿弥陀三尊像で、ほぼ等身大という例外的な大きさとして有名です。
鳴龍
甲斐善光寺の金堂にある鳴龍は、大きな共鳴が起こるとして有名です。
実際に手を叩いてみてください。機械音とは異なる、なぜか安心する共鳴音が響き渡る様子を体感することができます。
お戒壇廻り
善光寺名物ともいえるお戒壇巡り(甲斐善光寺ではお戒壇廻り(めぐり)と表記します)を体感することができます。
真っ暗闇の中で、極楽の錠前を見つけることができれば、極楽往生が約束されます。
お戒壇巡りについては、善光寺のお戒壇巡りを参考にしてください。
宝物館
甲斐善光寺といえば、源頼朝像が有名です。日本最古の彫像として知られています。
源頼朝像は目が入っていないことで有名ですが、今回拝観した時には目が付けられていました。
御朱印
善光寺御開帳期間中は3種の御朱印をいただくことができます。
御開帳限定の金字朱印、通常朱印「善光寺如来」(記念印押印)、季節朱印(鳴龍)です。
御朱印の料金は、御開帳限定御朱印が500円、それ以外は300円となっています。
期間枚数限定金字朱印:善光寺御開帳御朱印
御開帳限定の御朱印です。期間および配布数が限定されているようです。
金文字で御本尊である「善光寺如来」が書かれています。
通常朱印(記念印押印):善光寺御開帳御朱印
通常時にいただくことのできる御本尊「善光寺如来」の御朱印です。御開帳記念の印が押印されています。
季節朱印(鳴龍):善光寺御開帳御朱印
鳴龍の御朱印です。
特に御開帳限定ということではありませんが、季節ごとに台紙の色が変わります。5月4日にいただいた時にはピンクの台紙に鳴龍と書かれています。
御本尊:通常御朱印
通常時にいただくことのできる御朱印「善光寺如来」です。これは、令和元年9月6日にいただいたものです。
鳴龍:通常御朱印
通常時にいただくことのできる鳴龍の御朱印です。
鳴龍は季節によって台紙の色が異なります。この御朱印は、令和元年9月6日にいただいたものです。
散華
御開帳期間中は散華(さんか)をいただくことができます。
散華(さんか)
散華とは、華(花)をまいて仏を供養することです。花の芳香とその鮮やかな色彩は悪鬼悪神を退け、その場を清浄にするといわれています。元来は生花が用いられていましたが、時が経つにつれて紙製の散華の花弁が使われるようになりました。
皆さまにはこの散華を大切にお持ちいただき、日々の信仰心の縁(よすが)としていただきたく存じます。
甲斐善光寺の散華(さんか)は五色の模様入りです。
5枚セットで600円で頒布されています。
御朱印のいただき方
御朱印は二か所でいただくことができます。
1か所は、金堂内右手にある御朱印所です。
ここでは、通常御朱印と鳴龍をいただくことができます。
御開帳限定御朱印金字は、参拝券を購入して金堂内陣に入り、御本尊に参拝してからでないといただくことができません。
御本尊の手前に「限定御朱印のみを頒布する場所」が設けられていますので、そこでしか買い求めることができませんので注意してください。
また、限定御朱印は紙札のみの頒布で1枚あたり500円です。
御朱印帳
甲斐善光寺では御朱印帳を販売しています。
1500円の御朱印帖が五色、2000円の御朱印帖は四色準備されています。
全国の善光寺の中でも御朱印帳の数は豊富な方だと言えます。
香炉堂隣にも御朱印所があります。
ここでは、限定剃御朱印をいただくことはできませんので注意してください。
御守り
甲斐善光寺ではさまざまな御守りが頒布されています。
御開帳限定の回向柱御守りは七年間にわたってご利益が得られるという意味でも人気となっています。
甲斐善光寺へのアクセス
甲斐善光寺は電車でのアクセスに優れており、また、自家用車で参拝する場合にも駐車場が完備されていますので、安心して参拝することができます。
甲斐善光寺の駐車場
甲斐善光寺には駐車場が完備されています。
手前に「善光寺参拝者専用駐車場」があり、かなりの台数を停めることができます。
御開帳期間中は手前の駐車場が混雑しますので、第2・第3駐車場へ誘導されることがあります。警備員の指示に従ってください。
いずれの駐車場も無料で利用することができます。
なお、駐車場の利用は午前8時から午後5時が原則となりますのでご注意ください。
甲斐善光寺の場所
- 場所 山梨県甲府市善光寺3-36-1
- 電話番号 055-233-7570
御開帳期間中の拝観時間は、午前8時~午後5時となっています。
(通常時は、午前9時~午後4時30分となりますのでご注意ください)
- 六善光寺同時御開帳とは
- 信州善光寺(長野県長野市)御開帳限定御朱印
- 元善光寺(長野県飯田市)
- 甲斐善光寺(山梨県甲府市)
- 祖父江善光寺東海別院(愛知県稲沢市)
- 関善光寺(岐阜県関市)
- 岐阜善光寺(岐阜県岐阜市)