一度詣れよ元善光寺 善光寺だけでは片詣り
元善光寺は、「本多善光ゆかりの寺」と言われています。
※本田善光とするのが一般的ですが、元善光寺では本多と表記しています。
本多(本田)善光は、善光寺の創建者として知られています。
約1400年前、信州麻績の里(現在の飯田市座光寺)に住んでいた本田善光が阿弥陀如来様の声によって呼び止められ、縁あってその場から阿弥陀三尊像を家に持ち帰りました。
善光は家の一室に臼を置き、その上に阿弥陀三尊像を祀って信仰していました。その後、阿弥陀如来様自身のお告げを受けて、御本尊様は現在の長野市へと移されました。
一方、飯田の地に残された台座の臼からは光が放たれていたと言われ、その善光の家の近くに建立されたのが今日の元善光寺と伝えられています。
詳しくは善光寺縁起も参考にしてください。
両方に詣らなければ片詣り
「長野の善光寺と飯田の元善光寺、両方に詣らなければ片詣り」と言われるのは、御本尊である阿弥陀如来様が、「毎月半ば十五日間は必ずこの麻績の古里に帰りきて衆生(しゅうじょう)を化益(けやく)せん」と誓願を残された、という言い伝えによります。
南信州・飯田 元善光寺のパンフレット
元善光寺のパンフレットを紹介します。
2022年元善光寺御開帳
新型コロナウイルス感染症の影響で1年遅れて、元善光寺の御開帳が2022年に開催されます。
2022年元善光寺御開帳情報
- 御開帳期間 2022年4月3日~6月29日(88日間)
- 主な行事
4月3日 開闢大法要
5月1日 中日大法要
6月29日 結願大法要 - みどころ
前立本尊参拝
回向柱
お戒壇巡り
御朱印
元善光寺御開帳の様子
2022年5月3日に元善光寺の御開帳へ参拝してきましたので紹介します。
回向柱
御開帳と言えば回向柱です。
元善光寺の本堂前には大きな回向柱が建立されています。
回向柱は本堂前に建立されているもので、五色の綱が本堂に伸びています。
この綱(善の綱)は、元善光寺の本堂内に安置された前立本尊へとつながっています。
つまり、回向柱に触れることで前立本尊へ触れていることになり、前立本尊との結縁を結ぶことができるのです。
善光寺の回向柱について詳しく知りたい方は、【2022年】善光寺御開帳・回向柱の読み方は「えこうばしら」と読みますを参考にしてください。
元善光寺の本堂は、石段を登り切った先にあります。
下から見上げると急な石段であることが分かります。
ただし、現地に行けば分かりますが、お年寄りや幼児でも手すりに摑まれば十分に登りきることのできるレベルの勾配となっていますので心配する必要はありません。
また、境内入口向かって右側に小道があり、石段を避けて登ることもできるようになっています。
山門です。
山門の先にも石段があり、それを登りきると本堂に到着です。
回向柱には上に梵字が書かれ、四面全てに文字が書かれています。
元善光寺の回向柱には次のような文字が書かれています。
・奉修本尊如来開扉供養
・光明遍照 十方世界
・念佛衆生 摂取不捨
・維持令和四年壬寅 山主敬白
御本尊(前立本尊)参拝
本堂内では、御本尊を直接参拝することができます。
なお、善光が山中で得た霊木で掘ったと伝わっている御本尊の善光寺仏は絶対秘仏となっており、御開帳でも公開されることはありません。
七年に一度の御開帳で公開されるのは前立本尊です。元善光寺の前立本尊は、「一光三尊阿弥陀如来」様であり、一つの光背の中に阿弥陀如来(中央)、観音菩薩(向かって右)、勢至菩薩(向かって左)の三体の仏様が並ぶ善光寺仏独特の形となっています。
御影(御朱印)が御姿を確認することができます。
前立本尊に参拝するため、行列ができていました。
お戒壇巡り
善光寺といえば、お戒壇巡りが有名です。
元善光寺のお戒壇巡りは無料でお参りすることができ、たいへん人気となっています。
お戒壇巡りの入口隣には、賓頭盧尊者像が安置されています。
お戒壇巡りは、感染防止対策が施されているため、進みが遅いこともあって混雑しています。ただし、これによって安全にお戒壇巡りを行うことができます。
感染防止対策の為、1グループごとに砂時計の天地を逆にしてから進んでください。
次のグループの方は砂時計の砂が落ち切ったのを確認してからお進みください。
お戒壇巡りは、それほど長い回廊ではありません。
ただし、中は完全に真っ暗闇となっていますので注意が必要です。
右壁にある手すりに手を当てて進んでいくことで極楽の錠前を探し出すことができます。
お戒壇巡りについて詳しいことは、【2022年】善光寺御開帳のお戒壇めぐり!錠前の形と探し方を参考にしてください。
御朱印
2022年元善光寺の御開帳では、限定御朱印が頒布されています。
いただくことのできる御朱印は6種類で、価格は全て300円です。
帳面書きも可能ですが、御開帳限定御朱印のように紙札のみのものもあります。
通常いただける御朱印も含めて、御朱印を紹介します。
御開帳限定
2022年元善光寺御開帳の限定御朱印です。
いただいた袋には次のようなことが書かれています。
御開帳の象徴である回向柱と回向柱につながる善の綱を表します。
特に数量の限定は内容ですので、御開帳期間中であればいただくことができると考えられます。
元善光寺
御朱印「元善光寺」です。
御開帳期間中は、「令和四年壬寅御開帳」の印が押されています。
通常時には、御開帳の印ではなくいただいた日付が入ります。
御本尊様梵字
元善光寺の御本尊様である一光三尊阿弥陀如来様を表す梵字です。
上が阿弥陀如来様、右下は観音菩薩様、左下は勢至菩薩様を表します。
令和3年12月にいただいた梵字御朱印です。
台紙が金色となっています。
令和2年12月にいただいた梵字御朱印です。
令和3年と令和2年では、台紙が異なることが分かります。
座光の臼
御開山 本多善光公がこの地に御本尊様をお迎えし臼の上に安置し供養せられる事四十一年間。
後にこの臼から光明が輝いたことから「座光の臼」とよばれ当山の霊宝です。
元善光寺で重要な存在である座光の臼の御朱印です。
御本尊様おすがた
阿弥陀如来様(中央)、観世音菩薩様(右側)、勢至菩薩様(左側)の三尊が一つの船形光背の中にいらっしゃることから一光三尊の御本尊様といわれます。
通常は日付は入らないということですが、参拝の記念に日付をいれてもらっています。
ご詠歌
令和2年12月にいただいたご詠歌です。
追って紹介する令和3年12月の御朱印「御詠歌}とは台紙が異なることが分かります。
御告げにより御本尊様をこの麻績の里より芋井の里(現在の長野市)へ御遷しする時、「毎月半ば十五日間は必ずこの麻績の古里に帰り来たりて衆生を化益せん」との御誓願に由来します。
年度によって御詠歌の台紙が異なるようです。
御朱印のいただき方
本堂内に御朱印所(御守り授け所)がありますので、そこで御朱印をいただくことができます。
価格はいずれも300円で、帳面書きを行ってもらうこともできますが、御開帳御朱印など限定のものは紙札のみとなります。
御朱印帳
元善光寺のオリジナル御朱印帳を買い求めることができます。
価格は2千円で、種類は1種類だけのようでした。
御守り
本堂左には、御守りが並べられています。
御朱印も御守りも同じ窓口でいただくことができます。
その他
元善光寺には、他にも見どころがあります。
元善光寺の宝物殿には、伝説となっている「座光の臼」が収蔵・公開されています。
拝観料は1人500円となっています。
平和の鐘です。
参拝に必要な時間は、一通り参拝した場合でも2時間程度となります。
御開帳期間中でも2~3時間程度あれば、境内全て汚参拝することができるでしょう。
元善光寺へのアクセス
自動車の場合には、中央道座光寺スマートインターを降りて車で5分程度です。
駐車場
元善光寺の駐車場は、元善光寺付近に点在しています。
すべての駐車場は「無料」で利用することができます。
境内入口(元善光寺前)にもかなりの台数を駐車することができますし、他にもいくつかの駐車場がありますので、御開帳期間中であっても自動車で参拝するのはそれほど困難ではありません。
臨時の駐車場も開設されているようですし、バス乗降場も別に準備されています。
現地では警備員がしっかりと誘導してくれますので、御開帳期間中のうち混雑が予想される土・日・祝も安心して参拝することができます。
元善光寺の場所
- 場所 長野県飯田市座光寺2638
- 電話番号 0265-23-2525
参拝時間は、元善光寺事務所の受付時間である「毎日午前9時~午後4時30分」が安全です。
- 六善光寺同時御開帳とは
- 信州善光寺(長野県長野市)御開帳限定御朱印
- 元善光寺(長野県飯田市)
- 甲斐善光寺(山梨県甲府市)
- 祖父江善光寺東海別院(愛知県稲沢市)
- 関善光寺(岐阜県関市)
- 岐阜善光寺(岐阜県岐阜市)