画像出所:善光寺さん(信濃毎日新聞社)
善光寺のご本尊は絶対秘仏です。つまり、今までに誰も見たことがなければ、今後も誰も見ることが出来ない・・・という、なんとも不思議な存在なのです。
善光寺の僧侶・住職ですら見ることができない御本尊
信州長野善光寺のご本尊は、絶対秘仏であり、誰も見ることができません。それは、善光寺の僧侶も同じことです。
ですから、今までに誰も見たことがなく、そして今後も誰も見ることができないということになります。信州善光寺では7年に1度、御開帳により前立本尊が公開されますが、これは善光寺のご本尊を模鋳したものです。
善光寺のそもそものご本尊は絶対秘仏であり、過去から未来まで誰も見ることが許されず、それを模鋳したといわれる前立本尊でさえも現在では秘仏化し、7年に1度の御開帳でしか見ることができないのです。
御本尊が秘仏化した理由とは
それでは、なぜ善光寺のご本尊は秘仏化されることになったのでしょうか。
善光寺のご本尊は一光三尊の阿弥陀如来であり、欽明天皇13年(552)仏教伝来の折、百済の国から我が国に渡った日本最古の仏さまです。
善光寺縁起では善光寺ご本尊秘仏化を次のように説明しています。
善光寺ご本尊(仏さま)が日本に渡られて約100年、信州長野に移ってから10年ほど経ったころ、如来の宣託を受け、秘仏となったとあります。つまり、自身のお告げにより秘仏化したということになります。
ところで、この謎についてはいくつかの見解があります。秘仏にした狙いとして、
- 本尊荘厳のため
- 本尊保存上のため
- 本尊拙作、毀損のため
- 歴史的事情のため
- 盗難保護のため
などが研究されていますが、詳しいことは誰も分からないのが現状です。
ただし、秘仏化することによって不可視となり、それが故に人々の心の中に絶対的に実在をより強く感じることができる仏さま、ということで、全国的に善光寺信仰が広がったとも言われています。
秘仏化することで、謎が深まり、善光寺の魅力が高まったということが指摘できます。
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