善光寺の正面にいるご三卿の謎
善光寺のご本尊が安置されている瑠璃檀は実は本堂の正面ではない。本堂の正面にいるのは、ご三卿(画像出所:「善光寺さん」信濃毎日新聞社)である。
ご三卿とは、善光寺を開山した本田善光、妻の弥生の前、息子の善助のことです。このご三卿像が安置されている場所をご三卿の間といい、善光寺本堂の正面奥に位置します。善光寺のご本尊は内々陣のさらに奥の左側3分の1ほどの瑠璃檀の中に、残り3分の2の空間にご三卿像が安置されています。
このように、ご本尊である一光三尊阿弥陀如来と、開山の家族を対等に祀っているのは極めて異例であると言われ、これは善光寺の謎となっているのです。本堂正面に、瑠璃檀の倍の面積で、三卿像が安置されており、正面にいるのが三卿像。
通常のお寺では本尊が正面にあるのは当然のことで、善光寺は大変特殊であるといえます。三卿像が祀られていること自体が不思議であるのと同時に、その位置関係も謎に包まれているのです。
善光寺で参拝する際は、正面を向いて参拝すると開山したご三卿に参拝していることになります。善光寺のご本尊に参拝するためには、正面から少し左側を参拝する必要があります。
たまに三卿像を善光寺のご本尊と勘違いしている参拝者の方がいるようです。善光寺のご本尊はそもそも秘仏ですから、直接お目にかかることはできません。三卿像の左側にある瑠璃檀の奥にある厨子の中にご本尊は安置されています。
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