善光寺限定御朱印(令和3年)
新型コロナウイルス感染症がまん延するなか、善光寺縁起に似たような内容のシーンがあります。その一場面を御朱印にしたものが悪疫退散特別御朱印です。
実際に購入した御朱印
特別御朱印をいただいてきましたのでご紹介します。
善光寺縁起
お釈迦様がまだこの世にあり、人びとに仏の道を教え導こうと心を砕かれていたころのこと。印度の毘沙難国に月蓋という一人の長者がいました。月蓋は大変な財を持ちながらも欲深く、他人のことをまったく顧みないような人でしたから、当然のごとく仏様を敬う心もありません。自分中心にふるまっては、まわりもそれを諭すことのない日々を過ごしていました。そんな月蓋でしたが、一人娘の如是姫(にょぜひめ)だけにはたいそう愛情を注ぎ、掌中の珠よと慈しんでいました。しかしある年、ひどい悪疫が国中を襲い、多くの人びとが苦しんで、果ては死に至るという有様のなかで、とうとう如是姫も病気に罹ってしまいました。月蓋は、高価な薬を求め、国一番の名医を招き、あらゆる手を尽くしましたが、いっこうに効果はなく、如是姫の命は風前の灯でした。
「どんなにお金があっても、どれほど考えても、どうすることもできない。」
月蓋は失意のなかで、やっとお釈迦様にすがることを受け入れました。そして、如是姫のことを思いつつ、お釈迦様のいる大林精舎に詣でて目通りを願いました。
「お釈迦様、これまでの罪業をお赦しください。教えを守り、日々精進いたしますので、どうか如是姫の命をお救いください。」
お釈迦様は月蓋の懺悔を真と認められ、お言葉をかけられました。
「救済は我が力の及ぶところではないが、西方極楽世界を創世された阿弥陀如来様におすがりしなさい。『南無阿弥陀仏』と一心に唱えれば、必ず如是姫の命も、国中の苦しみも救ってくださるだろう。」
月蓋は急ぎ家に戻ると、お釈迦様の教えどおり西方に香華灯明をお供えし、ひたむきに念仏を続けました。すると南無阿弥陀仏の声を包むように、一光が差し、その中に阿弥陀如来様が観世音菩薩様と大勢至菩薩様を伴って姿を現されたのです。そして、三尊仏の全身から大光明が放たれると、一瞬にして悪疫は国中から消え去り、如是姫の病気もすっかり治ってしまいました。
月蓋と一族の者たちは喜びと驚きをもってこの功徳に感謝し、この時に顕現した三尊仏像を尊し生涯側にあってお仕えしました。
新型コロナウイルス感染症の影響で、善光寺への参拝者も激減しています。早く終息して、また、多くの参拝者で賑わう善光寺になれば良いと思います。
善光寺縁起絵巻の一場面を御朱印にいたしました。
はるか昔のインドにおいて、人々を悪疫から救った一光三尊阿弥陀如来様のお姿を描いた御朱印紙に、コロナ終息を祈り、特別な印を押しております。
・頒布開始:令和2年12月20日(日)
・頒布場所:本堂前御朱印所
・頒布価格:1,000円