両国の回向院で開催される出開帳では、善光寺の御開帳でもたいへん有名な回向柱が建立されます。
いわゆる、御開帳のシンボル的な存在を担っているのが、回向柱なのです。
写真は、平成21年に行われた善光寺御開帳の際の回向柱(えこうばしら)です。
本堂の真ん前にど~んと建てられ、多くの人が列をなして並んでいる姿が確認できると思います。
善光寺の御開帳では、この回向柱に触れるために、1時間以上待つことも珍しくありません。
この回向柱は、高さがなんと10メートルもある巨大なもので、参拝者を圧倒するぐらいのサイズなのです。
今回、両国の回向院で行われる出開帳でも、回向柱が建立されます。サイズは、善光寺の御開帳よりは少し小さいですが、大震災被災地の岩手県陸前高田市の杉を使った回向柱で、40センチ角の長さ7メートル。7メートもありますから、御開帳より小さいと言っても、それなりの大きさです。
この回向柱には、文字が書いてあります。仏教で宇宙の構成要素とされる「空」「風」「火」「水」「地」を表す梵字などですが、この文字がいかにも回向柱といった感じなのです。
ところで、この回向柱に参拝者が触れているのには理由があります。
善光寺の御開帳では、前立本尊の阿弥陀如来の右手に金の糸が結ばれ、それが五色にかわり白い善の綱として回向柱に結ばれています。
つまり、回向柱に触れることは、前立本尊に触れるのと同じこととして、たいへんありがたい結縁をえることができるのです。
両国回向院の出開帳でも、出開帳仏と回向柱が善の綱によって結ばれると想定されますから、出開帳に参拝した際には、回向柱に触れるのを忘れないようにしてください。
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